成田国際空港を活かす佐倉のまちづくり

産業振興推進のポテンシャル

 佐倉市は、東西、そして南北を貫く形の幹線道路、JR/私鉄の両鉄道網、更に高速道が市中心部のすぐ近くを通り、これらは都心や千葉市と成田国際空港を結ぶ主要交通手段となっている。その為、高速道のI・Cや鉄道駅がある佐倉は、国際空港に極めて近接した都市という事ができる。

 ヒトやモノの動きに関する交通の要衝地としての地理的環境、特に車で高速に乗ると15分で空港に到達できる高速道は、産業振興や観光客誘致にとって極めて優位な資源と考えて良いのではないだろうか。

 国際空港に近接しているという事は、国内と海外を結ぶ物流拠点になり得ると同時に、グローバル化してますます海外進出が著しい企業の、何か新しいビジネスが期待される場所とも言える。また、このように空港に近接している立地環境は、航空会社の関連施設や、空港関連企業の誘致も考えられ、産業振興上優位に考えられる。

 一方、観光振興から考えると、日本人、外国人を問わず、空港利用者や空港で働く人たちが佐倉を訪れるようになるならば、それがまちの活性化に寄与することは明白である。そこで今回は、成田国際空港と佐倉の産業振興、特に観光振興にスポットを当てて考えてみたい。  

 

観光振興でまちおこし

 政府は21世紀の国づくりの柱として観光立国を掲げ、その実現に向けたいろんな取り組みを進めており、推進計画によると2016年には海外からの旅行者取り込みは2千万人を目標にしている。

 また、経済成長の柱に観光を位置づけ推進している自治体は各地にみられ、佐倉市も都市計画や産業振興計画で観光客誘致を採用して取り組んでいる事はみなさんもご存じだと思います。

 しかし観光によって多くの来訪者を期待するには、それなりの観光資源や魅力が無ければできないことは当然で、また観光客を受け入れるためのハード面、ソフト面の態勢整備を整えなければなりません。

 幸い佐倉市には、観光客の利便性を図る交通網が整っている事や、観光資源としてのポテンシャルが豊富に存在し、各地で歴史が息づき、そして自然に親しむことができます。

 佐倉の持つ地理的優位性を活かし、外国人のみならず日本人の空港利用者も含めた、特に飛行機の出発時間をホテルや空港で待機しているトランジット客(通過客)が、待機時間を利用して「ぜひ佐倉に足を延ばしてみよう」と思えるような、そのような新たな魅力を創造できるならば、佐倉の知名度を高めることにつながり、佐倉への来訪者増に結びつける事が期待される。

 以前、「成田国際観光モデル地区整備促進協議会」という組織が、佐倉市、成田市、栄町、芝山町の自治体によって創設され、ガイドマップ制作や講演会等の事業を推進した事をご存知の方もいると思います。

 また、トランジット客のためのモニタリングツアーを企画し、空港周辺のホテルでお客をピックアップして、それぞれのまちの魅力ある個所を見学してもらうツアーを行い、佐倉では、武家屋敷を見学したり、茶会の席を体験する内容で外国人を受け入れた経験を持っている。しかし、モニタリングツアーはあまり好評とはいえなかったようで、何時しか立ち消えになってしまったのは残念であった。

 

空港利用者を取り込んだまちづくり

 羽田空港の一部国際線就航や不況感の高まり、そして追い打ちをかけるように東日本大震災の影響などで、日本人の海外旅行者は減少し、外国人の観光目的の来日者も激減状態が続いています。しかし、成田国際空港の利用者が一時的には落ち込む事はあっても、中長期的にはこれらは回復し、更に航空機利用者は飛躍的に増加していくことは明らかです。

 成田新高速鉄道の開通、発着回数22万回への増大等、空港の利便性は着実に向上しており、更に年30万回の発着回数達成に向けた取り組みもスタートしています。そうした中、海外への窓口である成田国際空港に近接している佐倉は、将来のまちの活性化を考える上において、成田国際空港とどうかかわっていくかは重要なポイントといえます。

 

空港利用者と観光開発

 高速道I・C付近に展開する工業団地や、大自然に囲まれた農村地帯、そして豊かな歴史、自然といった、佐倉の個性を最大限に発揮する事ができれば、それは観光振興からも大きな発展につながるものと考えられます。

 羽田空港の国際線ターミナルがオープンしたときにも色々いわれた事ですが、今や空港は飛行機の乗降客だけでなく、大きなショッピングモールであり、食事を楽しむところとしての機能を充実し、若いカップルのデートスポットであり、シルバー層から子供まで多様な人たちが楽しむ場所・空間に変化しています。成田空港でも、出発ロビーを結婚式場に変身させるような取り組みも行われています。

 空港に近接しているという事は、このようにトランジット客だけでなく、空港を一つの観光名所的に位置づけて、そこに隣接しているという優位性を活かした産業振興や観光推進を進める事を検討して良いのではないだろうか。空港周辺に展開している物流機能を補完するような新たな関連ビジネスや、空港内の企業やその従業員の必要とする更生施設等、新たなビジネスモデルを提案する事も考えられる。

 

 その一つとして空港のトランジット客を含め、空港利用者を佐倉に呼び込む施策が考えられる。しかし、現在の資源、魅力だけでは新たな観光客や来訪者を望むのは難しく、佐倉を訪れたくなるような、新たな観光商品を創りあげることが必須になるでしょう。

 例えば、外国人などは体験観光を好むため、お茶、お花、着物の着付け、更に印旛沼を利用した水辺の体験や農村での農業や里山体験等、幸いこれらのポテンシャルは佐倉には豊富にそろっています。

 潜在的なものも含め、佐倉が持っている資源を一度総棚卸して、系統的に整理しながらそこに新しい発想でアイデアや工夫を注入し、付加価値を高めた質の高い観光商品を開発する進め方です。

 一つひとつでは魅力を満たすのに不十分なときには、それらを線で結んだストーリー性のある商品にしたり、面としてその一帯を観光スポットに構成するなどの手法を用いることも必要です。地方で行っている「まちごと博物館都市」やドイツの「○○街道」等はそのような構想に基づいた成果といえます。

                          ≪2011年12月 福山≫

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